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2024年7月27日黒茶帯研読本「指導者になるために」

黒茶帯研究会に参加されている皆様は、これからカラテ家、カラテ人、指導員、指導者、教室責任者になる方もおられることでしょう。いつかその日が来るための心得をここに記します。

私は、1985年に極真会館山形県支部長の任に就きました。大山倍達総裁から「君、山形で極真カラテを普及発展させるように」との一言の命により、山形県の極真会館田畑道場の歴史がスタートしました。

その時、当時の館長室で大山総裁から「君ぃ、田畑君。これからカラテの指導をする時にカラテのレッスンプロになってはいけない。極真カラテ道人生を懸けて、達する人間になることを忘れてはいけない。道場生が集まってきたら、道場生をカラテ道で達する同志とし、共に切磋琢磨し、カラテで達し、人生で達することが支部長、指導者の第一義なのだよ。」と。以来、田畑道場を設立して39年間、達することをいつも念頭に入れて自主練習、稽古指導、世界セミナーに力を注いでいます。

大山総裁はよく「地球は子供達に借りているものだから、きれいにして返さなくてはならない」私はそれを「道場生は、大山総裁からの借り物、私物化にしてはならない。立派な極真武道カラテ人になるように導き、立派な社会人を育成し、大山総裁に返さなければならない」と。

大山総裁亡き後、フルコン道場のフルコンの大会が乱発しています。フルコン道場の中には、強い選手を出して、道場の看板にしているところもあります。もし、指導者がレッスンプロになり切ってしまえば、少年部の家族の方が、組手のやり方やトレーニングを動画を見て覚えれば、ご自分の子供さんのコーチとなり、それなりに強い選手を育成させることは出来るでしょう。でも、これではレッスンプロの稽古と、家庭内の稽古が同じになってしまい、道場でカラテを習う意義がなくなります。

そこで極真カラテの指導者は、大会参加の意義ということを心に明記して、そのことを実践しなくてはなりません。その意義とは、極真カラテの究極は立派な人間をつくること、人間形成です。そのために日々の稽古、大会、審査会を通じて、カラテの実力向上と、心を磨き心を高め、人間性の成長を促すこと。

そして「極真」真を極めるとは、人として正しいことを正しく貫き、私情や利害損得の内側に屈することなく、正義、道理に従うこと。そのためには、指導者は、極真のフィロソフィを身につけること。

そのフィロソフィとは、
1.極真理念精神
2.カラテ理法
3.礼法作法
を熟知し、そして実践し、継承伝承し、普及発展させなくてはなりません。

私たちは、寄せ集めの道場ではありません。「一子相伝」、大山総裁の教えを道場内、日本国内、そして世界中の人と共有していることです。そのために私は、国内または、世界32ヶ国、72回のセミナー指導で、極真カラテの神髄を稽古を通じ伝えています。山形田畑道場生、そして、黒帯からは、この胸マークの「極真会」に誇りをもって、これからも尚一層、努力精進していただきたいと念願致します。

主席師範 田畑 繁