6月の言葉「再確認。強者になる前の心得。」
特に幼年、小中高校生の稽古修業者の皆様に申し上げます。
入会して、カラテの稽古をはじめ継続していくと、必ず、心も体もカラテもケンカも強くなっていきます。ケンカだけ強くなったり、弱い者いじめのためにカラテの技を使うことになっては、武道極真カラテの名が廃れます。勝つ事、優勝する事は尊い事ですが、一度優勝して、驕り、威張り、荒ぶっていたら、人から見下げられるような人物になってしまうことでしょう。チャンピオンは、周囲の人から尊敬されるべき人物にならなくてはなりません。強くなる前に稽古生はカラテの道場で何を学ぶべきかという目的をしっかり知っておかなければなりません。
それについて大山倍達総裁は文武二道をもって両道とすると説いています。文武二道の一道は、カラテの技量、力量の向上を目指すこと、そのためには常に自分の限界を知り、それを乗り越えるために勇気と努力をもって挑戦していくこと。もう一道は、その実力に相応しい人間性を向上させること。心を磨き、心を高め、礼儀礼節を身に付け人徳、人格を向上させることにより、文武二道にして両道とする。とおっしゃってます。
ここから一般部、壮年部に申し上げますが、大山総裁は「カラテを学ぶ心得」でこうもおっしゃってます。
「私が考えるに、修業とは一生続くものである。単に帯の色や段位、大会での勝敗を決することだけにあるのではない。生涯を懸けて己を鍛え、地道に息長く、精神力を養っていくものである。
カラテの道場に何を学びに来るのだろうか。カラテの道場の技だけでなく、カラテを通じて精神とモラル、人間としてのプライドを教える場所である」と。
そして大会こそが日々の稽古の成果の集大成であり、修練の場、試練の場であるのです。勝って驕らず、負けて腐らず。両者とも更なる努力をすることにより、カラテの実力、そして人間性の向上を促します。相手に対し非礼をせず、礼節を守り、相手を尊重することにより、武道極真カラテの道を歩くことが出来るのです。
主席師範 田畑 繁