道場設立35周年記念に寄せて「極真カラテ田畑道場スタイル」発表

合宿代替セミナー小冊子より第14章「改訂版 田畑道場スタイル」

道場設立35周年記念に寄せて「極真カラテ田畑道場スタイル」発表

主席師範 田畑 繁

 道場設立35周年記念に寄せて2020年10月「極真カラテ田畑道場スタイル」発表しました。

1994年4月に大山倍逹総裁が逝去されました。
翌1995年、極真カラテの分裂が起こり、その後、日本全国にフルコンタクトカラテ道場が数多く乱立していきました。

又、小さい大会から県大会、地方大会、各権利大会、全日本大会と大会の数も星の数ほどあります。

1985年10月5日に極真会館田畑道場を設立して、35年の年月が経ちました。皆様のご支援のおかげをもちまして、この道一途に歩むことができました。ありがとうございます、ここに感謝を申し上げます。

今ここに35周年を迎えることと、昨今の全国展開している、フルコンタクトカラテ道場の経過。また、県大会、地方大会、権利大会、全国大会が星の数ほどある現状。そして、元道場生が、本部道場近くに空手道場を開設する現況を鑑みて、もう一度ここに大山倍逹総裁の創始した、武道極真カラテの原点回帰するのには良い機会だと考えるに至りました。

大山総裁が、従来の寸止めカラテから直接打撃制(フルコンタクト)カラテである極真会館を創設されたのは、昭和39年。今から56年前のことでした。それまで直接打撃制は皆無でした。

私田畑は、大山総裁の内弟子第10期生として、大山総裁からつけて頂いた稽古、教えて頂いた武道精神と理念をここで今一度あきらかにしようと思います。

極真カラテは、なぜ武道カラテであらねばならないのか。ある日、大山総裁が、このようにおっしゃいました。「極真カラテは直接打撃制ルールであるがゆえに、相手を一撃で倒すことが出来、とても殺傷力が高く、死を覚悟して試合に臨まなければならない場合もある。そのためには試合だけでなく、日ごろの稽古から日常に至るまで、武道精神や立ち居振る舞い、人として正しい行い、人の道を歩み武道人として自分の技と心を磨かなくてはならない」と。

又、大山総裁は文武二道ということをおっしゃっています。
「一道とは空手の強さを徹底的に追求すること。体力、技、精神を極めて、カラテの技量、力量を向上させ最強の武道人となり、大会で優勝することを目指す」こと。
「もう一道は、カラテの稽古、大会参加などを通じ、心を磨き、心を高め、人格を向上させて人間的に成長すること」これで文武二道となり、この文武二道をもってして文武一道となります。
それと大山総裁は、たった一人でカラテのデモンストレーションを世界中で行いました。その結果、123ヶ国に1200万人の会員を擁する武道団体を設立するに至りました。1975年の第1回世界大会開催後に極真理念にある
「極真カラテの存在価値は、人種、民族、国境を越え、政治、宗教、思想の垣根を撤廃し、
世界人類の平和の実現を目指す。」
まさに、確信されました。

大山総裁から私たち内弟子も「内弟子は世界に羽ばたき、極真カラテを通じて礼節の大切さを説き、世界平和実現に貢献するように」とおっしゃられました。
この言葉を私は遺言と受け止め、今現在(2020年10月まで)、32ヶ国、69回の海外セミナー遠征をしてまいりました。
人種差別、民族、宗教などからくる内戦や紛争、広がる貧富の差を目の当たりに体験してきました。少しでも極真カラテの理念と極真精神を稽古を通じて共有し、お互いの考え方や立場を理解し、少しでも世界平和の実現に微力でも貢献できたらとの思いで世界を飛び回っています。

2018年5月に山形国際交流セミナーを開催した時、19カ国から120名の参加者が山形に集結しました。これも大山総裁直伝の「極真理念、精神法、礼法作法」を求めての来県でした。
また、海外からの空手留学生も幾度となく

結びに、「極真カラテ田畑道場スタイル」として、文武二道である一道は、あくなき強さの追求。これを自己実現と名付けます。そして、もう一道は、心を磨き、人格を向上させること。これを自己完成と名付けます。そして、極真カラテで世界平和の実現に貢献する人物となることを世界貢献と名付けます。

自分自身を徹底的に鍛え上げ、磨き、自己実現、自己完成そして世界平和の実現に貢献する人物を目指すこと、これを「極真カラテ田畑道場スタイル」として師範代、支部長、道場生、保護者の皆さんにご理解いただき、他流との差別化を図ります。この理念(フィロソフィー)を共有していただき、ベクトルを合わせ、立派な人材を育成、輩出することが出来るように社会に貢献してまいる所存です。

今後とも極真カラテ田畑道場にご支援、ご鞭撻賜りますように衷心よりお願い申し上げます。