カラテにはフィロソフィが大切です。
幼年、少年、社会人、選手会、型講習会、県選手会すべてのクラスを通して極真カラテ田畑道場が貫いている理念(フィロソフィ)があります。これをご紹介致します。
理念(指針)
カラテの稽古を通じて、カラテ技量、力量を向上させると同時に心を磨き、心を高め、人格を向上させ、世界の平和と人類社会の幸福と進歩発展に貢献する人材を目指します。
学んでいただきたいこと
<三合法>
極真カラテは、「基本で始まって、基本で終わる。」と言われています。なぜ基本が大切かというと、基本稽古で人間性、ヒューマンパワーを作るからです。
それは基本稽古で三合法を実践することで、自分に内在している生命力が最高に高まり、そのことによって自分の能力(知能・技能)が最大限に発揮することが出来るからです
。
<田畑道場は「挑戦」する道場です>
カラテの稽古では、常に自分の限界への挑戦を心がけなくてはいけません。三合法で自分を追い込み、その限界点を知り、その壁を打ち破り、乗り越えていき、新たな自分へ成長させなくてはなりません。
三合法で得た生命力が最大限に向上した自分を確立した上で、もう一つの挑戦が待っています。それは、自分の夢、理想、目標、ビジョンへの挑戦です。自分の夢が大きければ大きいほど、地味で地道な努力の積み重ねをしていかなくてはなりません。あの世界最高峰のエベレストへ登頂するのに一歩一歩、自分の足で大地を踏みしめること以外に方法はないのです。途方もない努力、終わりのない忍耐力、際限のない創意と工夫。最後まで粘り、あきらめないで努力した人のみに見える風景が絶対にあるはずです。
この二つへの挑戦は田畑道場のモットーでもある、自己完成と自己実現を現実化させることが出来ます。
<八徳>
カラテの稽古を継続すると、必ずカラテが強くなっていきます。カラテが強いだけの人はとても危険です。技の成長と共に心の成長もしなければなりません。もし心の成長がなく、心を磨かず、理性が怒りの感情に負けてカラテの力を使えば、暴力となって、身を滅ぼすかもしれません。極真カラテは、殺傷力の強い武器になります。「正義なき力は暴力」と化します。やみくもに力だけを付けるのではなく、カラテの稽古を通じて心を磨き、心を高め、人格を向上していかなくてはなりません。そしてカラテの稽古を行う上で身に
付けるべき八つの徳目を紹介します。
(覇気と勇気)
覇気とは溢れんばかりの意気。進んで何かを成し遂げようとする意気の事です。これがあると真の勇気が発揮されます。何事があっても恐れない強い心が身についていきます。
(信念と自信)
信念とは、三合法を身につけて、本来、自分の生まれながら兼ね備わっている力を高めようとする決心です。
自信とは、信念が高まってきますと、必ず自信を持ちます。何事が起きても、動じることのない自分です。自己を信頼する心。自分には覇気があり、勇気があり、信念があるんだという強い心のことです。
(努力と忍耐)
努力は目標を実現するために一心不乱に精進することであり、目標を実現するためには努力精進を継続することが大切です。継続するためには忍耐力、辛抱強さ、我慢強さが不可欠です。最後の最後まで粘り強く、諦めない心こそ真の忍耐力です。
(礼儀礼節と思いやりの心)
礼儀とは、他人を尊重し、互いに丁寧に折り目正しく振舞うこと。返事、挨拶、言葉遣い、立ち居振る舞いがしっかりとできること。
礼節とは、相手に対して敬意を表し、敬う心の事です。
思いやりの心とは、親切心、労りの心、優しく美しい心のことを言います。
以上の八徳は人間としてのあるべき姿であり、あるべき心の状態です。このことをカラテの稽古の修業、修養を通じて、身に付けていただきたいと切に願います。
<孝心義拳>
極真カラテは武の道であり、人の道です。この世に生を受けて、この命を授けてくれたのは両親です。そして見返りのない慈愛をもって、慈しみをもって育ててくれた親に対して、その恩を感じることがとても大切なことです。自分を最も愛してくれた人の恩を感じ、その人を尊重し、その人に報いることなしでは、世の中に立って、人のため世のためになることは難しいことでしょう。
40年以上前から極真カラテの入門誓約書には、親の署名をもらえない人にはカラテを教えません。親の信頼のない人、親不孝者には入会を許しません。カラテの道に進みたいと、子供が親に頼んだ時に親が許してくれるほど信用がある子供でいてほしいからです。
カラテの道は人の道。人の道を歩むためにカラテを習得する。拳を鍛え、蹴りを鍛え、技を研ぎ澄ますことが親孝行の道、礼節の道、社会の大義につながっていかなくてはなりません。カラテが心の修養の道から離れたら、それは暴力となり、トラブルを起こし、周りの人すべてを不幸にしてしまいます。
親の恩を知り、親を大切にすることを教え、人を大切にする、友達を大切にする、仲間を大切にする。人を大切にして真心を尽くしていくことの重要さを皆様にお伝えします。
極真カラテは心の成長、心の持ち方、心の使い方、をとても大切にします。入会する前に熟読してください。
①カラテの稽古と修業を通じて、カラテ技量、力量を向上させることと同時に心を磨き、心を高め、人格を向上させ、世界平和の実現と人類社会の幸福と進歩発展に貢献する人物を目指す。
②カラテが強くなると大会でも活躍でき、全日本大会での優勝も可能となります。強さと技術だけを追いかけて、心を高めていかなくては、とても危険な人になってしまいます。
自己中心的な考え、人を思いやる心、正しい精神力、礼節を守ることが出来なければ「粗暴の振る舞い」となり、人からは尊敬されないでしょう。むしろ軽蔑されます。
③極真カラテは礼節の心を大切にします。強い人ほど粗暴の振る舞いを慎み、長上を敬し、礼節をしっかり守らなくてはなりません。そして行いが正しくなくては、武道と言えません。「正義なき力は暴力なり」と言われています。反対から言うと心を磨き、心を高め、人格を向上していくためには、空手の稽古や大会での試合があるのです。
④カラテの稽古や大会を通じてカラテの強さの向上と、心を磨き、心を高め、人格を向上させなくてはなりません。大会に参加する意義は、勝つことは尊いけれど、それと同じくらい人間性を高めることが大切です。
大会は人間性を作る最上の教育の場と捉えて下さい。
くどく、再三再四、繰り返して記しましたが、カラテの稽古を開始すると必ず体力や気力、カラテの技量、力量が強くなります。強くなる前に心を磨くこと、高めること、人に対しての思いやりの心を持つことの大切さをご理解していただかなくてはなりません。