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令和2年秋季昇段昇級審査会特別メッセージ「文武二道」

未だに収束の兆しのない、新型コロナウイルス感染、異常気象による大雨、洪水、ゲリラ豪雨による甚大な被害、まさに天変地異が起こっているかのようです。

新型コロナウイルス感染により、日常生活がまるっきり変ってしまいました。カラテの稽古、合宿、県選手会稽古、審査会、各県大会、地方大会、今年6月のグラチャン、11月の第51回全日本大会、そして来年4月の横浜の新武道館での第5回世界大会も全てが中止または延期となってしまいました。

全国大会を目指していた選手は、さぞかしショックの大きかったことであったでしょう。本当に残念でなりません。
しかし命と健康を守るためにはやむを得ません。2020年7月に開催予定だったオリンピック・パラリンピックでさえ来年に延期になりました。その来年でも、確実に開催できるのか不安の声も上がっております。
4年に一度の大勝負に、命と情熱と年月と時間を費やしてトレーニングしてきた選手たちも、悲痛な気持ちであると思います。

約40年以上前の本部内弟子稽古で大山倍逹総裁から武道極真カラテには「文武両道」または「文武二道」という言葉があることと、その意味を習いました。

「文武二道」、その一道は、とことんカラテの強さを追求することです。技を極め、体力を極め、精神を極め、自分を極めるために常に自分を追いこみ、限界に挑戦し、それを乗り超えカラテの実力をつけていくという道です。

そしてもう一つの一道は人間性を磨き高めていき、心の成長を促すというものです。「礼儀、礼節」を身に付けることです。「礼儀」とは、礼儀正しいと言われるように、立ち居振る舞い、挨拶、返事、言葉遣い。大きく言えば作法、マナーになります。
「礼節」とは、礼節を重んじると言われるように相手を敬する心、思いやりの心のことです。たとえ礼儀が出来ていても、そこに敬する心、思いやりの心が無ければただの形式になり、本当の礼儀とは言えません。

この人間性を高める上で、極真カラテの理念に「孝を原点として他を益す」とあります。孝とはもちろん親孝行です。大山総裁は「親孝行できない者は社会、日本、世界のために尽くすことは出来ない。親孝行の出来る者だけが、周りの人を幸福にし、日本、世界のために活躍できる人になる。親孝行を出来る人は、長上を敬すること、思いやり、親切、優しさ、美しい心、立派な心に成長していくのだ」とおっしゃってました。
また、そのような心を持った人のみが、人のため、世のために尽くすことが出来るのだと。

「文武二道」の究極は「自己完成」と「自己実現」とも言えます。「自己完成」とは、両親から授けられたこの命。この命の力を最高に高め、特性、個性、技能、知能を最大限に発揮して、自分の人間性を完成させていくことです。また、「自己実現」とは目標設定し六大能力である体力、胆力、精力、能力、判断力、断行力をいかんなく発揮し、地道な努力を積み重ね、その理想、夢、目標、ビジョンを実現させていくことです。この中には全日本チャンピオンになるという夢も大いに含まれています。

「文武二道」とは強さへのあくなき挑戦と人間性の完成、または自己完成と自己実現であると言えます。二道とも完成させるためには、丹田力が必要不可欠です。基本稽古での三合法を使用して、丹田力を発揮させ、生命力を最高に高めることと、極真円心の呼吸による黙想、瞑想法から無声の境涯に入り、大我没入し、自己に内在している本然の力を発揮させることが大きなポイントです。これが極真カラテの強さの秘密です。
三合法と黙想、瞑想法については、師範代・支部長・副支部長に聞いてください。

令和2年8月30日(日)
主席師範 田畑 繁