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武徳 復刻版 第1弾「カラテを学ぶ目的」

 心身の強化とカラテ技量、力量の向上と自己を完成させていくこと

カラテの稽古を始める上で、しっかりと確認していただきたいことがあります。カラテの稽古を始め、継続していくと必ず心身が強化されて、カラテが強くなってきます。ケンカも強くなることでしょう。カラテの大会で優勝することも可能です。

ここで考えなくてはならないことは、強くなれば強くなるほど、人間性を高めなくてはなりません。心が立派にならなくてはいけません。カラテは強いけれど、心が成長しないで、勝つことだけに囚われた自己中心的な人は困ります。ましてや人に迷惑をかけて反社会的な人間になってはいけません。人間としての礼節を守らなくてはなりません。「返事、挨拶、言葉遣い、立ち居振る舞い、相手を思いやる心、人の嫌がることはしない、正しいことを正しく貫いていくという勇気」が兼ね備わっていなければ、武道極真カラテとは言えません。

「カラテの道は礼に始まって礼に終わる」と言われています。稽古も真剣で、試合も真剣勝負です。相手を尊ぶ心があれば、礼儀を尽くします。礼儀がなければ、牙を剥いた野獣に成り下がります。

強くなる前にその強さに匹敵する心の立派さ、人間性の豊かさを兼ね備えるということを忘れてはいけないのです。

心を磨き、心を高め、人格を向上させ、自己完成、自己実現し、人のため、世のために尽くしていく、社会貢献をする人間になるということが根底になければ、道を失うことになってしまいます。
強さの追求と人間性の高さ、人格力の強さを両輪の輪でもっていくところに「文武両道」があります。
このことを極真カラテは強く訴えています。