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全国型大会出場者プライベート稽古(2022年2月13・19・20日)

2月13・19・20日、全国型大会出場選手プライベート稽古が行われました。13日は8名、19日は3名、20日は6名の参加がありました。
ここで田畑師範が「型の理法について」のプリントを配布されました。会員の方から、そのプリントを公表していただきたいという声が多かったので、ここにご紹介します。

型の理法について

主席師範 田畑 繁

 型は審査会のための型、大会用の競技のための型、そして、自分の本体を極める型の3種類があります。
自分の本体を極めるためには、審査会での型の演武や大会での型の演武を通して自分を磨いていくことが必須条件になります。

組手も型も同じですが、弛まざる努力と気が遠くなるほどの反復稽古の数が要求されます。一つの目安として、一つの技を十万回、一つの型を三千回という言葉で表します。ただ稽古をするのではなく集中する。心を込める。一心にやることで初めて実のある稽古となるわけです。

人生の成功、または目標を達するためには、考え方×才能(能力)×熱意(情熱)という方式をよく使われています。型で言えば考え方とは、楽に上達したいと考えるか、まじめに一生懸命に稽古に打ち込み誰にも負けない努力をし、常に自分の限界を破り、自分の可能性を高めていこうと考えるのか、この考え方で大きく道は分かれます。才能とは、神からまたは両親から才能を与えられています。才能があるばかりに他の人より努力をしようと思う人は少ないです。簡単に出来たり、センス良くコツを覚えてしまうからです。才能が努力を遠ざけます。もし才能があり、努力を惜しまなければ、この才能が自分の宝物となります。しかし、才能がなくとも熱意、情熱を傾けて努力を継続することにより、才能のある人を追い抜いていける可能性は大となります。
物事の成就は=考え方×才能(能力)×熱意(情熱)のこの方程式を活用しましょう。

型の定理
A 1.力の強弱、2.技の緩急、3.息の調整が極真カラテの定理です。そのこの3つを支える8つのポイントは
B 1.立ち方を深く、2.軸を真っすぐ(姿勢)、3.技の力とスピードを合わせる、4.引き手の位置、5.気合の大きさ、6.目付け(目線)、7.技の決めと締め、8.気迫と気概の発揮、となります。
C 審査の基準対象として
よく木を例えにしています。木で一番大切なのは①根です。根がしっかり張っているか張ってないか。これは立ち方の深さ、安定感とバランスを示します。②次に幹です。幹は姿勢であり軸です。軸がブレてないか、脇が上がってないか、締まっているかというのを見ます。③最後に枝葉です。これは手技の部分です。突き、受け、手刀であり、蹴りの部分です。
※いくら技が良くても、①の立ち方が出来てなければ、採点は低いままです。②軸が良くても、①の立ち方がしっかり出来なければ、採点が低くなります。肝心要は、立ち方にあります。立ち方は、稽古量と質に比例します。大会当日だけ低く立つことにより、普段からやっていないので、ふらついたり、バランスが取れなくなるケースがとても多いです。普段の稽古から試合のつもりで立ち方を定めた方が良いでしょう。

D 技の分解について
技の出発点、技の中間点、技の終点を知り、その通りに実践しなくてはなりません。

E 型の分解について
型の上達は①型のスローモーション分解、②号令入りスローモーション一挙動、③号令入り力の強弱確認一挙動、④無号令。吐き切る瞬間の呼吸気合法。
※一足飛びに型をしたり、イメージで型をすると癖がつきます。長年の稽古で一度ついた癖はなかなか直りません。やはり分解から入っていった方が、上達が早く実力が付いてきます。

F 決めと締めについて
技を打つ時、ただ技を打つのではなく、三合法を活用した決めと締めが型の完成度を高めます。その大きなポイントは、吐き切る瞬間の呼吸への集中が不可欠です。

G 潜在能力、潜在勢力の活用
肉体と精神とつなぐのは呼吸法です。吸うことよりも吐く呼吸の方が大切です。技を決める瞬間に吐き切る瞬間の呼吸に集中することが出来れば、集中力が高まり、無念無想の一歩手前に入る状態になります。その瞬間に自分の潜在能力にある力、又は潜在勢力の力を発揮することが出来ます。その状態とは、例えば、周りの状況が澄み切って見えたり、自分の技が普段より、強く早くなったり、絶対的な自信を抱いたり、周囲がゆっくり見え出したりします。この時にこの瞬間を掴むことのできる人は、型が自分に力を与えてくれる大切なものになります。そうするといつでもその状況に行くことが出来るようになるのです。私は世界32ヶ国、69回のセミナーを通じて、そういうことを体現しました。絶対間違ってはいけない演武指導だったり、デモンストレーションだったり、ワールドカップ、世界大会の型演武を通じてです。
皆さんも長い年月、稽古に打ち込んでいただき、そのような絶対的な心境に至っていただきたいと思います。

H なぜマンツーマン稽古が大切か
師範がいくら皆さん一人一人に型が上手になって欲しいと思い指導したとしても、学んでいる人の向上心がなければ、これはお手上げです。反対に絶対に上手になり、大会で優勝したいという燃えるような思いと情熱をもって稽古する時、その時に指導する側の人格と教わる側の人格が触れ合って、スパークを起こし、潜在能力に火をつけることが出来ます。この時に自分の限界を超えて、新しい力が漲(みなぎ)ってきます。これがマンツーマン稽古の持っている良さです。
個人対個人の稽古指導の基本です。