「大山倍逹総裁からのお言葉」
私が25歳で極真会館山形県支部を設立するにあたり、大山倍逹総裁より、お言葉をいただきました。
「田畑君、キミは25歳でまだ若い。カラテを教えるだけのインストラクターであってはいけない。稽古によって技を極め、体力を極め、精神を極めると同時に自分自身を極めていく覚悟で道場をやりなさい。
そのためには、共に稽古する門下生を集め、共に切磋琢磨し極真の道を歩む仲間、同志と共に汗を流し、心を磨き、心を高め、人格を高めていこうとする覇気が大切なんだよ」と。
指導者は、自分の稽古を第一として行うことが大切なことです。大山総裁の言われるところのレッスンだけしかしないプロ、口だけの指導はだめだということです。大山総裁は病に伏せるまで空手着を着て稽古をしていました。その理由は「私は一日一回、空手着を着て稽古するのは、心を正すために稽古しているのだよ」そして「私はこの正拳の握りに疑問を持っている。本当にこれが最良の握り方なのか、もっと良い握り方があるのではないのか」。牛を一撃で倒した大山総裁からの一言です。私は弟子への戒めではないのかと思います。牛を倒したこの正拳であっても、「もっとより良い方法があるのではないか。稽古に対して、君たちも創意工夫、探求心をもってカラテの道を求めよ」ということではないのでしょうか。
教える専門家にならないで、自分自身を磨くと同時に同志、仲間を集い、共に磨き合っている師弟関係の道場がベストだと教えて頂きました。