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武徳 復刻版 第2弾 「少年少女時代の試合の勝敗について」その1


「少年少女時代の試合の勝敗について」
カラテの稽古を継続していくと、必ずカラテが強くなります。お家の人が自主トレを協力していれば尚更強くなります。

そうすると、子供との距離が近づき過ぎてしまう場合があります。上り調子で実力がついていき、試合でも勝ち続けるうちは良いのですが、不調が続くと子供との距離感が近い分、子供がプレッシャーを感じてしまうケースがあります。 そこで距離感を保ち、勝ちだけにこだわるのではなく、そのプロセス(過程)を気にかけてあげることが大切です。

一流アスリート、一般部で世界大会を目指すのなら別ですが、そうでないのなら子供時代の試合結果や、今流行りのランキングには、それほど大きい価値も意味もありません。
ご両親がそれにこだわり過ぎるとカラテの上達、そして子供の成長を抑え込んでしまう事は間違いありません。共に疎外関係になる場合もあるかもしれません。

例えば、勉強中に隣で勉強のやり方をいちいち注意していたら、勉強が嫌になってしまうのと同じです。
試合に勝っても、負けても、お子さんに対する愛情は変わらないんだということで安心させることが最も大切です。

試合が終わったら、①稽古したことが出来たか、②勇気をもってやれたか、③集中することが出来たか、④最後まであきらめずにやれたか、⑤礼節を守ることが出来たか、この5つを聞いた後に勝ったか、負けたかを聞くことの方が良いと思います。

カラテの基本に「三合法」という理法があります。これに沿った稽古を行えば、人を成長させる力があります。
いつの日か、稽古を積み重ねて世界チャンピオン、全日本チャンピオンになればよいですが、なれなくても、もし今、こうして何事にも頑張っていられる自分でいられるのは、カラテをやってきたからだと、お家の人に導いていただければと思います。

特に入会を考えている方や、入会して間もない保護者の皆様に読んでいただきたいと思います。